をふの日記

毎日頭の中をお掃除するために書く日記

数年前のメモ✍️

 

  日課を作ろうと思って、どんなに眠くても忙しくても酔っ払っていても毎日一文字でも、書くことに決めた。

 

 今日は机の整頓をしていて、かつて自分の書き殴った文庫サイズのノートを発見。その時どきに読んでいた本の気になる一文を、本のタイトルとともにちょこちょこ書き出していた。書き出すのも読み返すのも妙に楽しくて、そんなノートを何冊かつけていたことは覚えている。

 

 『狩猟サバイバル』服部文祥、『みんな自分がわからない』ビートたけし、『子供はわかってくれない』『こんな日本でよかったね』内田樹、『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』『東京番外地』『A』『職業欄はエスパー』…なぜか森達也にご執心で立て続けに読んでいる。

  10年くらい前かな。もしかしたら5年くらい前かも知れない。本の文章の抜粋だけで自分の言葉を何ひとつ書いていないので、いつ書いたものか記憶を辿るきっかけが見当たらない。

 

 ノートの中程に突然ハリウッドセレブや映画監督の名前が書き連ねてあるページがあった。

名前の後には矢印が引いてあり、名前の響きからその時思い浮かんだらしいイメージが書いてある。

 

⚫︎アピチャッポン・ウィーラセタクン→軒先から滴る雨音で目を覚まし、雨の匂いを嗅いでいるオランウータン

 

⚫︎アンジェリーナ・ジョリー→ジェルの代わりにこし餡が内蔵されたベタつくシェーバー

 

⚫︎ガエル・ガルシア・ベルナル→乱暴者とインテリとサッカー選手の3兄弟

 

⚫︎ドルフ・ラングレン→ベルベッドのフリルをコテコテに施した悪趣味な暖簾

 

⚫︎ギルレモ・デル・トロ→焦がしたレモンで眼球を押し潰す拷問、もしくは揚げすぎてコゲたクリームコロッケを無理して食べたら中身はジューシーで意外とイケたことの意

 

⚫︎イヴ・ベスト→熱心なクリスチャンの集団が起こしたデモのスローガン

 

 ノートに記されたイメージは、二本線で消してあったり、グシャグシャと黒く塗りつぶして書き直してあったり、ああでもないこうでもないと労力を使って取り組んでいたことが見て取れた。

セレクトされている有名人たちは、何の関連性も時事性もなく、ただ名前の響きが面白いという共通項だけで私のノートに集合させられたようだ。いつ書いたものか、このページでも思い出すきっかけが見当たらなかった。

 

  面白い響きの名前といえば、おそらく20年ほど前に、高速のサービスエリアに指名手配犯のポスターが貼ってあった。名前は、アサリ・ガルガリ・モハメッド。

 なぜ覚えているのかというと、そのときも「わっ!面白い名前!」と思って、即座にメモを取ったからだ。そして、こんなに変な響きの名前の人がいるんだよ、と周囲の人たちに話したことにより、しっかり記憶に定着してしまった。

 

「 書く」「声に出す」は英単語を覚える定番かつ手堅い方法だとよく言われるけれど、その通りだと私が保証する。おまけに、ガリガリ君を見ると、この指名手配犯の名前がほんの一瞬頭の中をよぎるようになってしまってから久しい。

ただ、この指名手配犯のポスターも、誰と、いつ見たものだか、まったく思い出せない。いつも言葉と響きだけが、時間から切り離されて宙に残っている。

 

 

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