をふの日記

毎日頭の中をお掃除するために書く日記

犬の可愛さ天使の如し

  

  寒くなってきた。

  毎日朝起きて、犬の体温を感じるのが幸せだ。だいたい私の両足の間にすっぽり収まっているか、腕枕の中でスウスウ寝息を立てている。

 

  寝ている犬の頭の上に手を置くと、ホカ〜とぬくもりが手に広がる。私の首筋に当たる鼻息があったかい。目をパチリと明けて、おはようと顔を舐めてくる舌がびっくりするくらい熱い。 温かいって可愛い。

 

  外出先から帰ってくると、私が不在の間、犬がどこでくつろいでいたのか確認するのが日課だ。ここかな、ここかな、と手を当てて温かい場所を探す。ここか!ここでひとり寝ていたのね!と想像するその姿がまた可愛い。

 

  寝ていてお腹が上下に動いているのが可愛い。目が合うと真顔で見つめ返してくるのが可愛い。ちょっかいを出すとウォーンと鳴いて興奮するのが可愛い。散歩に行く前に必ず伸びをするのが可愛い。ウンチをしている時の申し訳なさそうな顔が可愛い。ごはんを待つときに待ちきれずに震える肩が可愛い。前足の中に鼻先を突っ込んで寝ているのが可愛い。寝返りを打つときに「グゥ」と息が潰れるのが可愛い。かまって欲しいときに前足でチョイチョイとつついてくるのが可愛い。どすん!と乱暴に身体を預けてもたれてくるのが可愛い。怖くて猫を見ないようにしているのが可愛い。寝ながら口を閉じて篭った声で吠えているのが可愛い。爪切りの気配を察知して部屋の遠くに逃げるのが可愛い。お風呂に一緒に浸かると、爪を立ててしがみついてくるのが可愛い。何度言ってもほとんど噛まないでごはんを食べるのが可愛い。お座りに疲れると横座りになっているのが可愛い。肉球の匂いが香ばしくて可愛い。雨に濡れると珍しく獣みたいな匂いがして可愛い。寒いと眉毛が盛り上がって険しい顔になるのが可愛い。背中を撫でて欲しいとすぐ後ろ向きになるのが可愛い。ゲップの音がおじさん並みにエグくて可愛い。小さいオナラも可愛い。クゥーンとか可愛い声をまったく出さないのも可愛い。濡れタオルで頭を拭くと気持ち良さそうに目を閉じるのが可愛い。悪いことをしても反省していないのが可愛い。眠くなると口をクチャクチャ言わせているのが可愛い。お腹の毛が薄くてピンクの地肌が見えているのが可愛い。地面を掘って鼻先に泥をつけているのが可愛い。後ろ足がたくましくてしっかり地面を踏みしめているのが可愛い。散歩の時に隙あらば拾い食いしようとしているのが可愛い。興奮すると前足を開き気味に走るのが可愛い。

 

  きりがないので、今日はこのへんで。

 

 

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揺れた1日

 

  1日のうちに、良いことも良くないこともあった。いつも厳密に言えばそうなのだろうけど、今日の振れ幅は大きかった。

 

  心の中に、少しでも気を許すと落ち込みそうな気がかりなことを抱えつつ、人前ではそんなそぶりを露ほども見せず過ごすことなんて、小さな頃からなんなくできる。私ができることは、だいたい大概の人がやっている。

 

  逆に、天にも昇るような心地、ゴキゲンの極みであっても、同じようにみんな人前ではそんなそぶりを露ほども見せず過ごしているんだろう。アイスクリームを片手に往来をスキップしながら、行き交う人たちにのべつまくなしに投げキスしている人なんて見たことない。

 

  あ、私の敬愛するジム・キャリーならやっていそう。ジム・キャリーのことを思い出したら、楽しい気持ちがムクムク湧いてきた。思い出しただけで笑える。最高。大好き。

 

  良いことと悪いこととで拮抗していた天秤の、良いことの方にジム・キャリーというメガトン級の分銅がドーンと乗っかって、今日はトータルですごく良い1日!で締めとなった。

 

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犬とおじさんとりんご

 

  今日はすごくよく働いた。

 

  夕方、ポッと時間が空いたので、気分転換に犬と散歩に出かけた。

  長い一本道の向こうから、ニコニコ顔をしたおじさんがこちらに歩いてくる。100mくらい離れているうちからマスクをしているのに笑顔だとわかるのは、おじさんのニコニコが身体の中から湧き出て溢れているからだ。おじさんはただ一点、私の足元の犬を見ている。

  

 すれ違う瞬間を今か今かと待ちわびながら平静を装って私も歩く。おじさんが目の前まで来た。パッとしゃがんだ。犬をじいっと見つめながら「かわいいなぁ、かわいいなぁ」と撫でている。犬も、心の綺麗なおじさんが可愛がってくれてすごく嬉しいみたいだ。首を伸ばしておじさんに頭を押し付けている。

 

  過不足なく撫でるだけ撫でると、おじさんはサッと立ち上がって「りんごあげるよ🍎汚いもんじゃないからさ。この子に食べさせてあげて」と、持っていたビニール袋からりんごをひとつ取り出して私の手に載せてくれた。

 

  ふと「袖振り合うも多生の縁」という言葉が頭に浮かぶ。知らない人と道で袖を触れ合うようなちょっとしたことでも、前世から続く深い因縁によるものだという意ですが、袖が触れ合うどころかりんごまでもらってしまった。

 

  うちの犬とおじさんは前世でどんな深い因縁があったのだろう。また来世でも、こんな風に一度は会えるといいね。

                        f:id:raguri:20201201022655j:image

忘れられない名前

 

  どんな話の流れだったか。友人と、子供の頃にテレビで観ていたロボコンが面白くて大好きだったという話になった。ロボコンとは、たぶんロボットコンテストの略である。間違っていたらごめんなさい。

 

  ロボコンの主役は、全国の高等専門学校の学生たちが作ったオリジナルのロボット。各県の予選を勝ち抜いたロボットたちが、全国大会で凌ぎを削るのだったと思う。間違っていたらごめんなさい。

 

  おぼろげすぎて絶対間違っている記憶では、制限時間内にペットボトルのキャップを何個空けられるかとか、遠く離れたバスケットゴールに何個ボールをシュートできるか等をトーナメント式で競っていた。と思う。間違っていたら〜以下同。

 

  学生たちが作ったロボットの造形はいい感じに怪しく無骨で、急に動かなくなったり、ボキッと折れたり、倒れて起き上がれなくなったり、数々のトラブルがドラマを生み出していた。リモコンを握って遠隔でロボットを操作している学生たちの、ボーゼンとしたような悔しそうな顔が、アップで映し出されていた。

 

  さて、肝心のロボットたちの造形については、全く記憶にない。ただし、それぞれのロボットには名前がつけられており、ひとつだけ明確にそらで言える名前がある。「帰ってきた鵜飼いコッコピヨピヨ丸2号」である。鵜飼いだけに、きっと岐阜県代表のロボットに違いない。

 

  昔から変な名前に目がないので、心の中でこのロボットの名前を復唱していたら記憶に焼き付いてしまった。「ひとつだけロボットの名前を覚えてる!」と、この名前を早口で言ったら友人に少し不気味がられたが、せっかくなので数回復唱してもらい、友人にも覚えさせた。次回会ったときに、ちゃんと覚えているかチェックするつもりだ。

 

  友人と別れた後、妙に気になってしまい「帰ってきた鵜飼いコッコぴよぴよ丸2号」を検索してみる。 

 

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…いた。

ウカイコッコはカタカナだった。

1992年か。

足かけ30年近く覚えていたことになる。

 

  他のページでは、このロボットの制作チームは鵜飼のコスプレをして登場し、異彩を放っていたらしいことが書かれていた。かなり面白そうな図だが、それは全く覚えていなくて残念。

 

  以前読んだ、記憶を司る脳の海馬について書かれた本には「人は生死に関わる記憶を最優先して残している」と書かれていた気がする。

 

 もうかれこれ30年近くも覚えている「帰ってきたウカイコッコピヨピヨ丸2号」は、私の生き死にに関わるような重要な記憶なのだろうか。自分の生死が、とんでもないお調子者ものに握られているようで、少し心許ない気持ちだ。

 

 

 

  

  

DHAの効能に異議あり

 

  昨晩は早い夜から夜更けまで、友人と長い時間を心ゆくまで話し合った。必要なことを全部話しきった時は、一冊の本を読み終えた時に似ている。ただパタンと本を閉じて、寝床に入った。

 

 

  人間たちが話している間、友人の猫と私の犬の間でも無言のコミュニケーションがあったようだ。

 

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   朝になったら距離が縮まっていた。かえって緊張感は高まったとも言えますが。 

 

  予断を許さないふたりを尻目に、のんびり友人が用意してくれた朝食。その魚の塩焼きがすごく美味しかった。新鮮な魚は、魚ではなくて海の味がするんですね。

  魚の名前を聞いたのにもう忘れてしまった。涙ぐむほど感動したのに、なんでいつもすぐに忘れてしまうのかな。

 

 

  2日前に来た道を、今また戻っている。

本人は西へ東へ大移動しているつもりだけれど、地球レベルで言ったらワイパーがシュッと一瞬で一往復するようなものだろう。そんな存在感すらないか。産毛が風にそよいだくらいのことかもしれない。

 

  そうなると、私が旅したことなんて、なかったことに等しい。だからといって友人との対話や、魚の名前をあっさり忘れてしまうのは、虚しすぎる。

 

   帰りの新幹線を待つ間、試しに「記憶力  食べ物」を検索してみた。「記憶力がアップする食べ物5選」というページがすぐに出てくる。

 

  筆頭に出てきた食べ物は「青魚」だ。

あれ?私が朝食でいただいたのは確か青魚ではなかったか。

 

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見る猫と、見ない犬

 

  下関の古民家に移住した友人宅に遊びに来た。

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  友人宅には猫がおり、私は犬連れ。誰もが認めるところだが、うちの犬は非常に徳が高いので、いつだってご機嫌で穏やか。生きとし生けるものに対して攻撃的な態度を取ることは皆無だ。

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ちんまり

 

  そんな人畜無害を絵に描いたような犬でも、猫にとっては闖入者だった様子。お部屋の対角線上でめいっぱい距離を取りながら背中を丸めてシャーシャー言いつつ、犬の一挙手一投足から一時も目を離さない。犬は、猫を見ないようにしている。生きる知恵だ。

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  さて、今宵ふたりの距離は縮まるのでしょうか。

  友人とは久しぶりで積もる話もあるので、今日は短くこれにて。奥の手だと思っていた写真多めで誤魔化しの術を4日目にして使ってしまった。

 

 

三日坊主

 

  毎日書くつもりが、3日目にしてもう息も絶え絶えだ。三日坊主というおちゃらけた顔した坊主が、ヘラヘラ笑いながら私に近づいてきていたけれど、心を鬼にして両手で遠くに突き飛ばした。危ないところだった。

 

  今日は仕事を早めに切り上げて、犬とともに新幹線に乗り込み、九州は小倉まで来た。4時間半ばかりずっと景色を見ていた。日本は長くて、この長い距離に絶え間なくポツポツと灯りがともり、人が住んでいることが嘘みたい。

 

  夜に、灯りがともっているお宅の中が見えると、必ず目が吸い寄せられて見てしまうのは私だけじゃないはずだ。虫は全身で灯に飛び込む習性があるけれど、人間には目が灯に飛び込む習性があると思う。夜景や夜空、暗い中に光るものに美を感じるし、吸引される力に抗えない。虫も炎に飛び込むとき、死ぬかもしれないとわかっているのに抗えなくて、むしろ灯の核に突っ込んでゆくことに恍惚を感じているのかもしれない。

 

  小倉に到着したのは夜の10時。街の灯がほとんど消えた中で、灯りがともっている居酒屋さんがある。

 

  すでに何組か酔客がいる中、ひとり飲み始めたので、お店の女将さんが「何か嫌な目にあったらすぐ言ってね」と気にかけてくれて優しい。鹿児島産の芋焼酎、麻友子と、いったいさんを初めて飲んだ。

 

  赤鬼みたいに顔が赤くなり、けっこう酔っ払った。ブログを書くのが途端に億劫になる。きっと居酒屋さんに入った時点で、私は三日坊主に目をつけられていた。嫌な目にはまったくあわなかったけれど、ホテルに帰る道すがら、三日坊主が後ろをついてきたようだ。

 

 居酒屋さんには、やる気満々の三日坊主がウジャウジャたむろしていると思うので、これからは気をつけようと思う。

 

 

 

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